「はい、これー!
かず兄に お土産っ♪」
にこにこ しながら、″天使″が何かを差し出す。
貴史と一緒に居る時の彼女は、本当に いつも楽しそうに笑っていて、
その笑顔は冗談じゃなく、本物の天使みたいに見える。
「…それ、香澄は そんな好きじゃない と 思うー」
悪魔の減らず口を気にする様子も無く、少し口を尖らせただけで、
また、笑った。
「そんな事、ないもーん!
ねー、かず兄?」
…リアは、本当に″天使″だと、思う。
リアを見てると、現実を忘れられる。
″向こう″に行ったら、
あんな天使が、いっぱい居るのかな…。