「昨日は俺の事
涼太~とか呼んで甘えてきたくせに」


「なっ!そんなわけないでしょ…っ」


と反論したが、思い当たる節がない事もない。

まさか無意識で名前で呼んじゃうなんて


家で名前呼ぶ練習なんてするんじゃなかった…。


「あ…、でもリンゴ!

おいしかった!ありがとね」


昨日の不格好なリンゴの味は今でも覚えている。


篠の機嫌が少し直り、


「デートの時は呼べよな?」

なんてニヤリと笑って言った。

デート!!!
そうだ!私デートしたいなんて言ったんだっけ?


つくづく熱のある自分は無敵だなって思う。

今まで言えない事、全部言えちゃうんだもん。