「嘘だよ。意地悪してごめん

ありがとう

じゃあ、いただきます!!」

田中くんはいつもの笑顔に戻ってそう言った


それから席についたが、篠に渡せないまま

放課後になってしまった。


どうしよう…。
このままじゃ帰っちゃうよ

いつもは話しかけてくるのに
こういう時に限って何もないし

篠が鞄を持ってクラスの男子と帰ろうとしたのを目にした時


「篠…ちょっと待って!」


私はとっさに呼び止めた。


「おー、じゃあ俺等先行くわ」

とニヤニヤしながら男子達は帰っていく。


「何?」


周りに人も少なくて、チャンスだと思った。