ギロッと少年が私を見下ろす。
「助けてやったんだろーが。なんか食わせろ。」
「そんなコト言われても……」
何様だ、と思いつつ、財布の中を思い浮かべる。
「今、ギリギリまで買い物しちゃったし、なんにも金ないんだよね。」
「パンとかなんか買ってねーの?」
「直ぐに食べられるような物はない。」
「………」
「………」
「家に行きゃなんかあんだろ?」
「は!?何でアンタを家に連れてかなきゃいけないの!ジョーダンじゃないわよっ。」
「オマエ助けた所為で余計な体力使ったんだろー!つか、オマエ、助けられたんだから有り難く礼ぐらいしろよなっ!」
ぐわ~!
何だこの自己中!
それから十分ぐらい口喧嘩は続いて
―――結局、私が折れた。


