甘い声に心臓がどくどく鳴る。

体は火が出るホド熱い。




『構ってやるべし!』

昼の萌の言葉が不意に頭をよぎって


傾いで近づいてきた顔に反射的にぎゅっと目を瞑った。












…ん?

あれ?



「頭突きの一つもかまさないなんて、オマエなんか……変だぞっ!」




…………はぁああい!?




ジローに見当違いの心配をされて、熱い顔が更に熱くなった。





「ち、ちがっ…飼い犬の脱走は飼い主の愛情不足だとかなんとか…それでっ、だからっ…!!」


「へ・ぇ?」




にやっと口端を持ち上げたジロー。



う………

私今、なんかヤバイコト言った……かも?