ある夜、寝られなくて何気にベランダでぼーっとしていたら、隣の窓が開いて、隣人が姿を現した。
手に持ってたのはプリン。
は……?
こんな夜中に何ゆえプリン?
いきなりベランダに出て、景色を見ながら黙々とプリンを食べる男をやや不審げに観察していると、男が口を開いた。
『これ、……食う』
抑陽もなく独り事かと思ったが、どうやら話しかけられてるらしい。
しかも質問らしい。
『賞味期限、昨日まで…』
は?賞味期限切れてんの?
を、人に薦めンの?
『今ン所、五個食べたけど、……なんともないケド』
えっ、五個も食べたの!?
その状態で腹イタ起こしてももはや食べ過ぎなのか、中毒なのか判別微妙じゃん。
『スゴクウマイんだけど……仕事忙しくて、貰ったのうっかり忘れたし……てか、ウマイわ。』
黙々とスプーンを口に運ぶけど、
相変わらず無表情でウマイってのが全く伝わって来ないんですけど。
だからこそ、何となく唆された。


