俺は呆れながら彼に近づいた。 「オマエはホント『底なし』だな。お屋敷育ちのアフガンハウンドのクセして、野良でも飄々と生き延びて……」 挙句に、嫁さん(候補)連れて戻ってくるとか。 にっと彼の口が笑みを作る。 「オマエもなーんも分かっちゃねーな。」 そう言って、俺を見上げる彼は挑発的に嗤った。 「世の中で最も価値があるのは『金』じゃねぇ。『俺』だ。『自分』さえちゃんと持ってれば、金なんかなくても生きていけるもんだぜ?」 「……真理だな。」