聞き覚えのあるセリフと同時に、胸に押し付けていた顔をぐいっと持ち上げられた。 涙も鼻水もぐしゃぐしゃなのに……! だけどそんなモノを恥ずかしがっている間もなく、噛みつくように唇を塞がれた。 再会を喜ぶような微笑ましいモノじゃない。 御主人様を見付けて飛びかかってくる大型犬―――みたいな勢いで。 離れてた間、ジローも……サミシイと思ってくれた? 傍にいたいと思ってくれてた――――… 重なる唇にそれが分かったから、自然に言葉が口を吐いた。