「ホラ、言えよ。オマエのカワイイ番犬ちゃんは優秀な帰巣本能でちゃんと帰ってきたぞ?言う言葉あるだろ?」



何が有能な帰巣本能だ…半年も消えたクセに。




半年も半年も半年も



隣に居てくれなかったくせに。


寂しかったのに。








「……バカ犬……っ」



嗚咽交じりにそう言えば、ジローはふっと笑う。







「ったく。病室で可愛かったのに。ちょっと間開けただけでもう甘え方忘れてんのかよ。手間かかるヤツ。」