「小町ちゃん」



背後から掛けられた声に振り返れば、同じバイトの日坂さん。


現在二十歳の大学生。






「これからファミレスでも寄ってかない?奢るよ?」





日坂サンは私に両親がいないのを知ってからこんな風に何気にご飯に誘ってくれる優しいヒトだ。



てか、私の餌付けされ体質は相変わらず健在なのか。







「ん~。…気持ちはありがたく頂戴しますが止めときます。晩御飯用意してるんで。」



「その晩御飯食べたいです。」




「ザンネン☆一人分しかありません。」





「小町ちゃんツレナイ…」







あからさまにガッカリと肩を落とした日坂さんがちょっと可愛くて思わず噴き出す。