「こんばんは。」 「あ……はい?こんばんは……」 誰だ、これ。 知らない人…だよね。 ジーンズにネルシャツのごく普通の男の人。 男の子と言った方がイイのかな。私と同世代か少し上くらい。 あ、ひょっとしたら開いた鈴木の部屋に入る新しい入居者かも。 私が怪訝な顔をしたのを見付けたみたいに男がふっと笑う。 「あぁ……スミマセン。僕のコト分からないですよね。」 そこで一拍置いて紡がれた言葉に ツキンと心臓が小さく鳴った。 「僕が薔薇の送り主です。」