後ろの男に内心悪態をつきつつ、慌てて胸元を掻き合わせる。
ふっと廊下の電球から差していた光が陰った。
…………へ?
ぐいっと妙に弾力のあるものに体を押されたかと思ったら、
迫ってきた鈴木に壁に押し付けられていた。
あ。弾力のあるものって、鈴木のメタボ腹だ。
は?は?は?
見上げる鈴木は100メートル走でもしてきたみたいにハァハァ言ってるし。
キモっ!!!
「独りぼっちサミシイんでしょ?僕が温めてあげるよ。」
「セリフ、サムッ!!や、寒くナイッ!温めいらないっ!」
「前からちょっとカワイイと思ってたんだ。僕のミミリンには負けるけど……」
ミミリンって誰だか知らんけど!!
つか、二次元のヤツじゃない?
え、うそ、私ってば二次元アイドルに負けるの!?ちょっとヘコム。
てか、そんなの今はどーでもいいし!!


