ノゾムさんはジローの挨拶に相変わらず無表情のまま小さくお辞儀。





そして徐にぎゅう~と私を抱きしめ、

いそいそとポケットから取り出した飴を私に握らせた。




……いつものことですが。




「オマエ……カノジョの方にも餌付されてんのかよ。」

「う……う~ん。」




私って餌付され体質なんだろーか。

しかし、女子高生を餌付するこのカップルって一体……





「トコロで、なんか御用ですか?」



貰った飴をジローと分けて、一粒口に放り込みながら訪ねた。




「……ってかさ、この人が大家じゃね?」


「……へ?」



コクンと頷くお隣さん。





「えぇ!嘘―っ。」