ジローがチラッとお隣さんのお隣のカノジョに目をやり、ニッコリ笑顔を浮かべた。




「ハジメマシテ。荘也さんにはいつも大変お世話になっております、天王寺凰志郎です。噂はかねがね耳に致しましたがお会いできて光栄です。」



あのジローがボッチャンみたいな挨拶を……!


愕然としている私に気付いてジローが「まぁ、親絡みだし一応?」と肩を竦めた。


ちなみにお世話になってるというのは社交辞令で、殆ど顔見知り程度。接点はないらしい。







「てか、相手がアノ『華月』さんだからって、下手な気起こすんじゃないわよ!?」




本名ノゾムさん。

実は華月という名前でモデルなの。

しかも超一流で、すっごい有名な海外のショーとか、セレブ御用達の商品を取り扱う雑誌なんかのモデルなんだ。






ジローの眉間に皺が寄る。




「盛りの付いた犬みたいに言うな!!起こさねーよ。キレイだとは思うけど、俺的にはこんくらいの肉感のが好み………」


「てか、揉むなっ!!」






後ろから胸を鷲掴むジローに、私は顔を赤くして容赦なく肘鉄を食らわした。


「ぐえっ」と呻くジロー。






てか、ノゾムさんほどスレンダーじゃなくて悪ぅござんしたねっ!!