萌がキッとジローを睨みつける。


「そーいう事なら仕方ないから居候は認めるけどぉっ、私の小町にヘンなコトしたら絶対ぜぇったい許さないんだからぁ!!ケンちゃんに頼んで保健所に突き出してやるんだからぁぁ!」



……保健所て。

しかも潔く他力本願だね、萌サン。




「あ。でも、コイツここに置くこと、認めてはくれるんだ?」



絶対反対されると思ってたんだけど。


萌は子供みたいに口を尖らせて「うん」と小さく頷いた。





「だって小町、わんちゃん飼い始めて楽しそうだったから……。きっと寂しくないんだよねって…だから私、私も嬉しくて…」




そこで言葉を途切った萌はぎゅっと唇をかみしめた。





「な、なのに、……そのわんちゃんがこんなのなんて、わーん!!!」




また泣きだした萌。

それを宥めるケン君。





私は萌の言葉に顔が赤くなる。



ジローと一緒にいて、楽しそう……とか。




ドキドキしながらちらっとジローを見れば、

ジローはニヤニヤと笑っていて更に顔が熱くなる。







サイアク。