少年が嫌そうに見詰めているのは、根菜類のキンピラ………
うん。
確かにフツーは捨てる皮しか使ってナイけどねっ!
後はゆかり飯とサバの味噌煮と冷蔵庫一掃オミオツケ。
「ヤなら食べんな!」
はぁ……と溜息を吐いた少年は、のろのろと箸を取った。
よっぽど腹が空いてるらしい。
「いっただっきまーす。」
「………ます。」
それでも暫く逡巡していた少年は、目の前でパクパク食べている私をじぃっと観察し、ようやく箸を動かしだした。
ぱく。
「…………。」
ぱくぱく。
一度止まった箸が滑らかに動き出す。
胡散臭そうに眺めていたキンピラも食べてるし。
「なんか。ご感想は?」
「………腹へってりゃ何でもうめぇわ。」
「減らず口。」
今一引っかかる言い方だけど、喜んでもらえたみたいだし
思わず笑ってしまった。


