「マイケルーーー!
こっちだよ~!」



僕になったアレクは、本当に子供のようだった。
猫ではずいぶんお年寄りのはずなのに、毎日のように僕を外へ連れ出しては、鬼ごっこをしたがった。
みんなが働いてる側で、僕とアレクが走り回っても、家族はそれをにこにこして見てる。



ごめんね、皆……
皆に心配かけちゃったね。



知ってるよ。
母さんが、時々涙を流してること……



アレクだと思って、「マイケルのことをよろしくね。」って僕の頭を撫でてくれる時も、母さんはとっても悲しそうな顔をする。
だけど、そんな時にも僕は何もしてやれない。
優しい言葉ひとつ、かけることが出来ない自分が、とても歯痒かった。