「お姉ちゃんの彼氏?」
言葉が出なかった
麻歌は俺のことを覚えていない
「何言ってるの?」
「違うの?」
「侑李は侑音の」
「侑音の彼氏!?」
姉貴のことは記憶にあるのか
俺だけ麻歌の中から存在が消された
それは好都合だ
麻歌に辛い思いをさせないで済む
「俺帰る」
「侑李……」
「ねぇ、侑音は?」
帰ろうと病室の扉にかけた手が止まる
侑音は……………
姉貴は……………
「明日来るよ」
「あ、そうなの?」
そうだ
侑音は明日麻歌に会いに来るよ
「ちょっと侑李!!どうしてあんな嘘」
「ほんとのこと言ったら麻歌は自分を責めるだろ!?」
苦しむのは俺1人でいい



