「ご挨拶出来ずすみません」
「いや、そんな余裕は君にも私にもなかったから仕方ない」
「真咲さんとお付き合いさせて頂いてます。浅古侑李です」
「家内から話は聞いてる。女装が似合うらしいね」
まさか女装がお父さんにバレていたとは
「…………すみません」
「いやいや。面白くていいじゃないか」
お父さんは笑っているが俺は笑えない
こんなことなら女装は隠していれば良かった
「本題入ろうか」
「えぇ…………はい」
「真咲が大変世話になったな」
「いえ、こちらこそ」
世話になったな?
引っかかる言い方
何だか突き放される言い方
「本当にいい人と巡り会えたよ………真咲は」
「あの………」
「私がアメリカに行くことになった」
「はぁ…………」
「家族も連れて行こうと思う」
あぁ、なるほど
「別れませんよ」
俺達を離したいのか
せっかく真咲が俺の手の中にいるのに
もうあんな思いしたくねぇ
「絶対別れません」



