Sales Contract


「あ、そうだ…」


「ん?」


「さっきコンビニに寄ったら、教え子が働いてたのよ。
卒業と同時に引っ越したみたいで、どうしたかと思ってたけど…頑張ってるみたい。
千絵ももしよかったら話し掛けてあげて」


嫌な予感がした。
真実なんて知りたくないけど…名前を聞かずにはいられなかった。


「名前は何ていうの?」


「秋本勝也くんよ」



予感的中だ。
本日二度目の体温急降下。
立っているのが精一杯になる。

「わかった…機会があれば声かけてみる」


力の無い声でそう言うと彼女は満足そうに帰っていった。