5月の夕方は暖かくてとても心地よい。 たまに優しく吹く風が、彼の黒髪を揺らすたび、あたしはそれに少しだけ見とれてしまった。 それにしても、2人並んで歩いてる姿は客観的に見たらすごく不自然なんだろう。 買うと言ったのはあたしの方なのに、そんなことを考えてしまうくらい、あたしに実感なんて物はまったく無かった。