「お疲れさまです」
予想通り、勝也くんは素敵な笑顔で迎えてくれた。
今日の彼はTシャツにジーンズと、すごくラフな格好だ。
それでもスタイルがいいから様になっている。
「いきなりごめんね。急に飲みたくなっちゃって。
この近くにいい居酒屋があるんだけど…付き合ってくれる?」
「いいよ」
やっぱりこの関係、悪くない。
思いっきり振り回せる相手なんてそうそういないもん。
5分も歩かないうちに、目的地に到着した。
小ぢんまりした、落ち着く居酒屋。
前に社長に一度だけ連れてきてもらったことがあった。
カウンターの席に座って、注文をする。
「あたしは生ビール。勝也くんは?」
「じゃあ烏龍茶で」
「あと焼き物と赤身のお刺身を適当にお願いします」
わかりました
と店長が笑顔で返事をした。

