………… 「あっ」 朝、目覚ましが鳴る前に目を開けると、勝也くんの腕の中にいるとすぐに分かった。 夜中に目を覚ましてベッドの中に潜り込んだんだろう。 彼を起こさないように、静かにアラームを解除した。 「千絵さん、おはよ」 頭の上から彼の声。 「起きてたんだ」 「最近眠りが浅くて、すぐ目覚めちゃうんだよね」 ストレスか何かだろうか。 「お疲れなんじゃない? 受験生のくせに仕事しすぎなのよ」 「コンビニの方は、今月いっぱいでやめる予定なんだ」 初耳だ。