「ねぇ、千絵さんの誕生日はいつ?」 勝也くんが誕生日の翌朝、そんなことを言い出した。 「何よ、いきなり」 「だって俺の分だけ祝ってもらうなんて悪いじゃん」 祝ってあげたというよりは祝わせられた気がするのは気のせいだろうか。 「あたし、自分の誕生日が好きじゃないのよ」 「いいから!」 そう強く言われたら答えるしか無さそうだ。