その日の夜、あたしはお姉ちゃんに電話をかけることにした。 呼び出し音がしばらく鳴り、諦めようとしたときお姉ちゃんの声が聞こえた。 「もしもし」 心なしかいつもより声が低い気がするのは、さっきのことを引きずってるからだろうか。 「もしもし、あたしだけど。 さっきは差し入れありがとね、美味しかった」 「そう?それならよかった」 深呼吸をして口を開く。 「あとね…あたし、やっぱりしばらくは今のままの生活を続けるから」 勢いに任せて言うと、お姉ちゃんは黙り込んでしまった。