「よかった。
…これ、彼に渡して。
僕からささやかなお見舞い」


小さな白い箱を差し出された。


「彼、すごく喜ぶと思います」


断る理由も無いので、それを受け取りお礼を言う。
その時、一瞬だけ指と指が触れ合った。

もうこの指とあたしの指は絡み合うことは無いのか…
そう思うと少し寂しくなったけど、今は解放感を求める気持ちのほうが大きかった。