そんなゴリオの優しさにつけ込んで、こんな偽りだらけの告白を押し付けようとしている自分が、浅ましくて情けなくて今すぐ逃げ出してしまいたくなる。

だけどゴリオの温かな指の感触を離したくはなくて、次々と溢れ出す涙を止める事すら出来ずただゴリオを見つめていた。

こんな自分がまだゴリオの隣に立っていられるのだろうかと、

本当の気持ちを伝える勇気もない私が隣にいていいのかと、

ゴリオの側にいたい本当の理由はそんな事じゃないのだと…、どうか分かってと願いながら--


本当の気持ちを言い出せないまま、不安で押し潰されそうな心を抱えてゴリオを見つめる。


お願い、嫌いにならないで、側にいて、離れないで、大好きよ、嘘ついてごめんなさい。


心の中ではいくらでも素直になれるのに…

どうしてもその一言を口に出す事が怖いのだ。