このままでは、まるで私がゴリコみたいではないか--


そんなの酷い…

女の子なのに!

心は純真無垢な乙女なのに!


「ゴリコなんて酷い!」


想像が恐怖に変わった瞬間、私は思わずそう叫んでいた。


『誰もゴリコなんて言ってないだろ!っつーか人の事遠慮なくゴリオ呼ばわりしといて自分が言われたら嫌だとかって俺に失礼過ぎるだろ』


何よ!別に良いじゃないの!ただのあだ名なんだから!


「ゴリちゃんは男なんだからそのぐらい我慢しなさいよ!」


ゴリオなんだから小さい事でウダウダ言うな!


『だからソレは偏見だろうが。相手が俺だからまだ良いけどな、ナイーブな奴がゴリオなんて言われたらイジメレベルだぞ』


うっ!
それは…そうかもしれない。


『オマエだってもしゴリコなんて言われたら傷つくだろ?』


うぐっ!…ハイその通りです。
諭すように語りかけるゴリオに私はうなだれるしかなかった。


『それにな、男だから何を言っても多少の事じゃ傷つかないっていうのも間違いだぞ』


ハイ…ごめんなさい。

ゴリオの声色が優しく宥めるように変わるのを感じて、私はますますうなだれる。

確かにそうだ、いくらゴリラみたいに厳つくてゴツイからって、私よりも頑丈で強そうだからって、いかにも打たれ強そうだからって、何を言っても大丈夫だと思っていたのは間違いだ。