2
いつまでもいつまでも
豊は私の手を引いてくれている
私を守るように
さっきみたいに、誰にも背後を取られないように
正直言ってさっきの豊は怖かった
冷たい目をしていたから……っ
それでも
私は手を伸ばさずにはいられなかった
だって聞こえたんだ
彼の声が
この頭の中に
「一緒にいよう」
まさに、彼の声だった
必死に連れてくれている彼の背中が愛しい
なんか、奇妙だなとは自分でも思うわ
だって今日会ったばかりなんだから
それで、ちょっとだけ風呂を貸したら
彼は過去を話してくれた
私からはお母さんのような感じがするとも言っていた
その時はちょっと複雑な気持ちになっていた……
先を走る豊は私のペースに合わせて走ってくれているけれど
そろそろ手が汗で離れてしまいそうだった
「ゆたっ……あっ!」
名前を呼ぼうとした途端
私は足を捻った
握っていた手が離れる
豊は咄嗟に振り返り戻って来てくれた
「いった……」
足を擦ると、私の目の前が暗くなる
あきらかに差し出された背中
振り向いた顔は乗ってと言っていた
私はその背中に乗る
私をおぶって少し体勢を整えると豊は走り出した
男だけど
華奢に見えるこんな身体のどこに、こーんな力があるんだろう?
それも、これも全てさっきの薬のせいかもしれないんだね
走っていた豊はいきなり立ち止まる
私たちの目の前にはクロづくめの男達がたっていた
「……」
「その子はぁ……誰だい、豊」
「りょう…」
躊躇もなく豊は私の名前を教えた
黒づくめの人に交じっているのは綺麗な綺麗な女の人
「どいてくれ……急いでる さっきだってりょう危険な目に合わせた」
「いや、……乗りなさない」
