bitter chocolate

「来てくれて嬉しい。」

そう言って先輩はニッコリ笑った。
可愛らしい笑顔。

だけど何か違う。皆とは違う笑顔。
何となく…冷たい様な。寂しい様な。

弧禽先輩が冷たいって言う訳じゃ
無いんだけど…。

やっぱり弧禽先輩は不思議だ。

「だって先輩の事好きですから。」

私も笑って答える。

ホラ、やっぱり違うんだ。先輩と私の笑顔は。
何なんだろう?分からない。

「今日は何するの?」

先輩が私に聞く。
私は先輩に会いに来てるだけだから、
先輩がそこに居るだけで良いけど。

「何でも、好きなことしましょう。先輩の。」

すると、

「本読もうよ。」

なんて。そして読書をする事になった。