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あれから、約一週間が過ぎた。
一日一日、僕は噛み締めるよう今を生きるようになった。
何一つ大きな変化はなく、真依子とも毎日無意味に連絡を取り合い、雄司さんの体調が良好なことや、赤ちゃんの話をするようになったという報告もあった。
それに関しては普通に嬉しかったし、望んで出来た命ではなくとも、誰もがその元気な誕生を望んでいる。
それだけで、宿った意味は十分にあると思った。
「お兄、どっちが可愛い?」
テラスに出て頬を撫でる風と戯れながら考え事をしていた僕に、部屋の中から瑠海が声を掛ける。
ふと振り返ってみると、白いパジャマ姿の瑠海が、深いブルーの色をしたAラインワンピースを右手に、すみれ色をしたフリルワンピースを左手に窓際に立っていた。
まだ幼くてもこういうところは既に女性で、僕は微笑みながら彼女に近づいて目線まで腰を折り曲げた。
「んー、どっちも可愛くて選べないなぁ」
二枚の洋服を瑠海の体に合わせて見たものの、本当に選べない。
すると、瑠海はぷくっと頬を膨らませて言う。
「どっちかひとつ!」
「…じゃあ、こっち」
「可愛いっ?」
「ん、凄く」
優しいすみれ色のフリルワンピースを選ぶと、瑠海は嬉しそうにはにかみ、没となったワンピースを僕のベッドに放置して部屋を出て行った。
