「瑠海ちゃん、妹が出来たら何をして遊びたい?」



 今の僕が避けたい話を、真依子は平然と広げた。

 それこそ嘘偽りを一切感じさせない美しい笑みを浮かべて、瑠海にそう問いかける。



「えっとね、一緒に公園に行く!」



 真依子を見あげて話す瑠海は、本当に楽しそうだった。

 ソファのそばに意味深に突っ立ったままの僕になど目もくれず、瑠海は決して叶うことのないその夢をきらきらした瞳で語った。



 微笑ましそうに瑠海を見る真依子を見て、僕は確信したのだ。

 僕のように迷っていたら避けたいはずの話題を簡単に広げた彼女の中の答えは、もう決まっているのだと。



 真依子は、産むつもりなのだろう。



 例え僕が逆の答えを出したとて、ひとりで育てることを覚悟しているはずだ。

 彼女の思考には今まで悉く欺かれているけれど、今回はきっと当たっている。

 お腹に宿る命が女の子かもわからないのに、妹という話題で瑠海と盛りあがる真依子は、どうみても母親の顔をしていた。