「ダメだ!」
「っ……」
私は普段声を張り上げないお父様が大声を出したのに驚いた
「すまない………
夏希はカワイイ一人娘だ
何でもお願いを聞いてやりたい」
「だったら!」
「だが、父さんの二の舞になってほしくないんだ」
お父様の………二の舞……?
「実は父さんは昔、付き合いをしていた人達に裏切られたんだ」
お父様が裏切られた……?
「どうして裏切られたかと言うと……
金関係のコトでな」
「どうして!?
信頼していなかったの!?」
するとお父様はとても悲しい顔をした
「信頼してたさ
…………私だけだったがな……」
「………何があったの?」
「みんな、オレとは金目的でしか付き合いをしていなかったんだ」
ーー金目的……ーー
そうか………
お父様があれだけ私に財閥の娘だとバレないようにと必死に言う理由はココからきてたのか……
それに、ココまで弱っているお父様は初めて見たわ……
自分のコトを “オレ” って言ったしね

