洸side

ひかりは、俺と付き合ってた。

一方的にひかりのことが好きで、告白した。

『俺、ひかりのこと好きなんだ。付き合ってくれないか?』
『ごめん。私、好きな人がいるの。ごめんなさい。』

このころのひかりは、かわいくて、モテモテだった。彼氏がいてもおかしくないほどだ。素直で、かわいくて。こんなに人を好きになったことはなかった。

『好きな人って?』
『…教えれないよ』
『なんで?』
『…』

そのままひかりは黙ってしまった。

『ひかり!』
 
俺が叫ぶと、ひかりは体を震わせた。

『…いやだ』
『なんで?絶対に言ったりしないよ?』
『…本当に?』
『うん。』

潤んだ目でひかりは俺を見た。

『瞬…、松葉瞬。』
『え?』
『付き合ってるの!みんなには、内緒で!』

ひかりは抑えてきた気持ちを俺にぶつけるかのように、叫んだ。

『松葉瞬って、君の、お兄ちゃんだよね?』
『好きだって、言われて。嫌だって、言えなかったの。』
『…わかった。じゃあ、俺と付き合おう?』
『え?』
『松葉瞬のこと、好きなら、それでいいよ。でも、周りにばれないように、俺と付き合っておけば、いいんじゃないかな?疑問も消える。俺にも、君にも、メリットだらけだ。今まで、ずっと抑えてたんだろ?俺に、全部、ぶつけてよ。』

それで、俺たちは付き合うことになったのだ。

しばらくして、別れたけどな。