ひかりside

この女…。やっぱり櫻井洸の妹だよな…。

「あの…何でこんなことするんですか。」

いきなりの質問に驚いた。

「別に。」

冷たくあしらう。

「…あの。」

女が聞いてきた。

「なんだよ。」

そう言うと女はうつむいて、こう言った。

「瞬…。えっと、松葉瞬って知ってますか?」

松葉…瞬…。
忘れることはない。あの人。
「さよなら」の一言も聞けなかった。
最後に、一度だけ…言ってほしかった。
「愛してる」の言葉。

「万里!!」

ドアを勢いよく開けて、誰かが入ってきた。

「お、お兄ちゃん!」
「心配した。倒れたって聞いたから。」

櫻井洸!!

「ひかり…?何でお前がいるんだ。」
「ただのお見送りだ。お前には関係ないだろ。洸…!」
「…まだ根に持ってるのか」
「は?違う。んなわけないだろ。断ったのは俺だからな。お前こそ、根に持ってるんじゃないか?」
「…ごめん。言い過ぎた。」

謝るなよ。泣きそうになるんだよ…。



俺は…櫻井洸の…元カノなんだ。