私が教室に入った瞬間、男子が騒ぎ始めた。

「ちょっ・・・七瀬!お前、どーしたんだよ!?」

「どーしたって貢ちゃんからのプレゼントよ!」

私はそういった。

そして私のところにタクが来た。

「なによ・・・」

「可愛いじゃん。」

“可愛いじゃん”この言葉、絶対ユタは言ってくれない・・。

逆に“キメェ”とか“はぁ!?急に色気づいてんじゃねーよ!アホか!!”だろーな・・。

タクは優しいから言ってくれるけど・・。

「ありがとう。」

私はそう言って席に行った。


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「貢ちゃんって、奈乃だろ?」

奈乃。なのは学校中が知るお金持ち&私にモノを渡すということで最も有名・

そんな彼女、可愛いけど、大人しいようななんというような・・・という感じなんです。

「ねぇ、七瀬サン」

私に声をかけてきたのは見知らぬ女子。

まぁ同クラですが。

「七瀬サンってさ、顔立ちいいから、私たちとモデル、やんない?」

ほぅ。モデルですか。


「あのー、申し訳ありませんが、そういうあなたはどちら様ですか?」

「なっ・・・この私たちを知らないって言うの!?」

「えぇ。おっしゃるととおりです。」

「私は、鮎沢朝香」

「私は、波野萌花。」

「私たち、モデルなんだけど、仕事はちょこちょこしかないんだ。」

「そうですか。申し訳ありませんが、モデルとか興味なしなのでお断りさせていただきます。」

「ギャラ入るわよ?」

「お金には困っておりません。」

私はそう言って朝香サンと萌花サンはめげずに言った。

意外とめげない子ですね。

「なら考えてちょうだい。私たち、あなたをスカウトしたいのよ。」

「ならちょっとだけでもいいから仕事見学と体験してよ!」

「お断りします」

「お願い!これ頼めるの、七瀬サンしかいないの!」

「朝香ちゃんと、萌花ちゃんだっけ?」

「「ら・・・楽!」」

私は振り向いた。

神崎楽。

楽は私の幼馴染み、神崎直也の兄で私たちの一個上。(同じ高校)

「楽兄!?」

「久しぶり♪んで莉々菜にモデル、お願いしてんの?」

「は・・はい」

「でも莉々菜、モデルとか興味ないんだよね、ごめんね~他、わたってくれる?」

楽がそう言うと萌花サンと朝香サンはもどっていった。

「どーしたの?」

「ん?、ちょっと、タクに用があってさ♪タクいないみたいだし。」