あの夏の日



「僕は君のことをずっと前から知ってるよ。

君は強い。

人ってね、
心が弱い人ほど他人を傷付けるんだ。

きっと相手が一人で頑張ってるのに
自分が一人で出来なかったら
悔しいんだろうね。

だから人に当たってしまう。

でもね、そういう人って最終的には
悪いことが全部自分に戻ってくるんだよ。

もちろん努力した人には良いことがね。

今は君にとって苦しい時期だ。

でも必ず幸せになるときが来るから。

それまで負けずに頑張れ。

もし、耐えられなくなったら
空を見上げて。

僕はずっと君を見守っているから。」

そう言うと彼は立ち上がり空を見上げた。

いきなり強い風が吹いたかと思うと
ピタリと止んだ。