相手は!?相手はだれぇなんですかあぁぁあぁ!?

視力0.6の目を見開き見れば、それは隣のクラスの女子だった。
名前は知らないけど、この前合同体育やったときにいた。

長い黒髪を靡かせ大樹を見つめている。

胸が苦しい


「ごめん」

大樹はそう告げた。

「もうすぐ引退だし、部活に真剣に取り組みたいんだ。」


「あと」

まだ続いた


「俺、好きな奴いんだ。」



時間が止まる気がした


その後の話は耳に入らなかった。

(好きな人、いたんだ)

それから少しして二人はその場所を離れた。


私はそれにも気づかず午後の授業を忘れ座り込んでいた。