空は、ただ広いだけで あっけなくて 山は、単調な緑のかたまりで 校庭は、ただの茶色い板。 切り取られた 1つのものの見た目には 何の感動もなかった。 それが、“自然”な形で 現れたとき、それは がらっと姿を変えた。 真夏のまぶしい陽射し。 少しだけ蒸すような空気。 蝉の声。 黒く光るアスファルト。 世界のすべて… 世界の本当のありかた、 “自然体”が見えた 気さえした。 大げさだけれど。