下を向いていてはいけない。 …前を向いた。 前の子たちの1人が 堂々とした態度で 話している。 よく通る声で、 何を言っているかまでは わからないけれど、 なにか、心に響いた。 身震いした。 ――負けるかもしれない… 勝ち負けじゃないけれど 何も残さずに 帰るわけにはいかない。 「負ける」と 落ち込んだとき、 何かが 胸の奥に湧(わ)いた。 …この感じ。 今までに感じたことがない。 自分をまた 不思議な気分にした。 でも… 何か違う。 怒り… 悔しさ… …何だろう?