――7:30―― 夏の朝。 ミーンミーンと声がする。 ここは高校。 まだ がらんとしていて、 夏なのに 寒々しい。 校門から生徒玄関までは 日陰で、夏の朝は 涼しいというよりは ひんやりしている。 長いその道を 1分かけて歩く。 あまりに時間がかかるから 計ってみたら、 ちょうどだった。 鍵を借りて まだ陽の当たらない 教室の鍵を開けて、 席についた。