「ケ、ケイトっ!!!」


カインの声は 届かない。


ケイトは 小さな声で 何か呟いている様だった。


「お、お姉さん…お姉さん…」

ケイトの眼は虚ろだった。


カイルに操られていると カインは思った。


「何故 ケイトを狙うっ!カイルっ!!!」


怒りを露にしたカインが 銀の剣を持って 襲いかかる。


「その極上の娘を見つけたのは 俺が先だったのに お前は 横取りしたからな」


横取りした?
ケイトは 傷ついていた。
しかも 誰かに 怯えていた。


「コイツの名前は ケイトじゃ無いよ、兄上」


そう言うと カイルの眼はみるみる内に 真っ赤に染まった。