「雪って切なくなるよなー。な?」 「そうかもね。」 二人して白い息を吐いて、並んで歩く。 触れ合う肩から熱が伝わり、それはいずれ全身に回る気がした。 「卒業したらさ、こんな風に柳瀬と並んで歩くこともなくなるのかな?」 「……そうかもね。」 「なんか寂しいな。」 厄介な熱だ。 彼の言葉で大きく広がったり、急に引いていったりするんだから。 「柳瀬は寂しくない?」 「……どうだろう。」