Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~




放課後。



「じゃあ、あたし帰るね!Star Tearのライブ楽しんで!」



掃除を終えて、スクールバッグを背負って帰る準備万端なあたしは美紀に言って帰ろうとした。



でも美紀はなんだか浮かない顔を浮かべていた。



「ねぇ、結愛。10分……うーん、20分時間ない?



結愛の用事で今すぐ帰らなくちゃいけないの?」



どういうこと?



そういえば美紀は先生と5時間目の後呼び出されてたし、何か頼まれたりでもしたのかな?



それで一緒に手伝ってほしいとか?



「そういう訳じゃないけど……」



本当は用事なんてないあたしは用事があった時のようにちゃんと断れなかった。



もし用事があれば絶対できたのに。



「本当に?じゃあちょっとついてきてくれる?お願い!」



美紀の懇願にあたしは断れなくて、結局スクールバッグはまた机の上に置いて美紀の後について行っている自分がいた。