Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~




「そうなんだ……毎日昼休みにいる訳じゃないんだね。



あ!それでStar Tearで思い出したんだけど、あたし今日ライブ観に行けなくなっちゃったんだ。



だからまた今度でもいい?……ごめんね?」



ごはんを食べるのを止めてあたしは美紀に謝った。



今日のことがなかったら全然行けたんだけどな。



でも彼らに会ってしまったのならしょうがない。



「どうして?結愛と一緒に行けるの楽しみにしてたのに!」



と本当にあたしと行く気満々だった美紀は淋しそうな顔をしている。



あたしだって行けるなら今日一緒に行きたいよ。



今度はドア越しじゃなくて……ちゃんと彼がいる同じ空間で聴きたい。



「うん……あたしも今日楽しみにしてたんだけど、ちょっと用事ができちゃって……



だからごめんね?」



言い訳を全然考えていないあたしはそのうちボロが出て来そうな気がしてただ謝ることしかできなかった。



ねぇ……湊くんは、放課後も昼休みのように愛しそうにあのうたを歌うの?