ーーガラッ



第1音楽室のドアを開けると、カバーがかかっているグラウンドピアノの上に



自分の筆箱が目に入った。



「……あった!」



飛びつくように目の前にあるグランドピアノに行ってその筆箱を確認すると



誰も開けることなく、置いといてくれたみたいだった。



良かった……何もなくなってなくて。



ホッとして息を吐いた。



「よし、教室に帰ろっと」



あんまりのんびりしているとお弁当ゆっくり食べている暇がなくなっちゃいそうだし。



あーもう昼休み経ってから30分近く経ってるし。



ぎゅっと自分の腕の中に筆箱を抱いて



第2音楽室から聞こえてくる彼らが作り出す音と彼の声を背にあたしは教室に戻った。