「今日やってて弾きたくないって思ったけど…… 辞めたいとは思わなかった。 どうしてだろ……」 全然分からない。 あたしはキーボードが好きなの?嫌いなの? ゴロンとうつ伏せになっていた体を仰向けにして壁を見つめる。 「そんなの、本当に音楽が心から好きだから…… ただそれだけじゃねぇの? 変なことで悩むなよな」 聞こえた方に視線を寄せると開けっ放しにしておいた部屋のドアの前に立っている樹の姿があった。