「「…………。」」
こうして残されたのがあたしと湊くん。
みんながいなくなったらもっと怒り方がヒートアップすると思ったらキーボードを弾くにも弾けない。
「さっさとやるぞ！
新曲のキーボードのアレンジは少しは浮かんだか？」
「イントロだけはちょっと浮かんだ……かな？」
一応答えたけど、自信はサラサラない。
「へぇ、じゃあ弾けるところまででいいから弾いてみて」
湊くんはキーボードの電源を入れて、ボリュームを下げてくれた。
キーボードの横に立っている彼の視線が気になる。
だけど、あたしのために残ってくれてるんだから仕方ない。
