Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~




「当たり前だ。あともう一曲あるんだからな!



修正することを考えて今週中が限界。



イントロとエンディングは1人で弾くんだから特に力入れろよ?」



「……はい」



あたしが返事をすると湊くんは戻って行った。



あたしの手の中に残されたのはバンドスコアのコピーとデモテープのCD。



この2つだけを頼りにアレンジして弾けるようにしなくちゃいけないんだ。



「結愛!」



さっき来て指示出したばっかりなのに、イスに座りながら湊くんはあたしの名前を呼んだ。



―ドキッ



なんか男の子に下の名前を呼ばれるの慣れないからいちいちドキドキしてしまう。