「あんず様、ネクタイが曲がっていますよ」



栗城は優しく笑った



「ネクタイとか付けた事が無いから解らないのよ‥
しかも、制服を着た事が無いから良く解らないわ」


「直してあげますよ」



栗城はネクタイを結び始めた



「流石に慣れてるわね」


「はい、毎日の事ですから

はい出来ましたよ」


「ありがとう」


「さあ行きましょう」


「えぇ」



私はスクール鞄という物を持って
玄関でローファーを履き
部屋に鍵を掛けマンションを出て
栗城が用意した何時もの黒いベンツに乗り込んだ